JAPA報 Vol.10

軌跡を刻む、未来を描く

\周年記念を成功させる3つのアプローチーその1/

物語をつくる ─ 過去・現在・未来をつなぐ言葉

前回は、周年記念を「未来への投資」として捉えることで、ただのお祝いにとどまらない、戦略的な節目になるというお話をしました。今回はその中でも特に大切な要素、「物語をつくる」ことについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。

新しい事業を始めるとき、人はどうしても「それって今、必要なの?」と問いたくなります。その問いに真っ直ぐ応えるのが、企業の歩みを一本の物語として語ることです。
たとえば、「創業の想い」。創業者が、どんな夢を抱いて始めたのか。どんな価値を社会に届けようとしたのか。そして、そこからどう歩んできたのか。

今、自社にどんな強みがあるのか。その強みは、偶然できたものではなく、積み重ねの結果であること。そしてそれを、これからの時代にどう活かしていくのか。

社史やパンフレットに書かれた数字や実績も大切ですが、それだけでは人の心までは動かせません。
「なぜこの事業を始めるのか」「なぜこの会社が取り組むのか」——

その“なぜ”に、これまでの背景や価値観が結びつくと、語る側にも聞く側にも自然と熱がこもってきます。
社員一人ひとりが「この物語の一部なんだ」と思えたとき、そこには静かで確かなエネルギーが生まれます。

たとえば、ある中堅メーカーが、これまで培ってきた職人の技術と丁寧なものづくりを武器に、周年記念を機にヘルスケア事業へと踏み出すとします。「生活を支える」から「命を支える」へ。その挑戦には、これまでの軌跡が確かに息づいています。

こうしたストーリーがあれば、人は新しい挑戦を「唐突」ではなく、「必然」だと感じます。社員も、取引先も、「この会社がやるなら応援したい」と、自然と心を寄せてくれるはずです。
物語には、人の心を動かす力があります。
数字や戦略だけでは届かない深いところに、そっと入り込んでくれます。
周年記念は、その物語を語るのに、いちばんふさわしいタイミングかもしれません。

次回は、「周年記念だからこそ伝わる意味づけ」について、お話しします。

メンバーコラム

写真撮影のススメ

入社式や経営方針発表会に始まり、社員旅行、設立記念日などの会社イベントを、写真で記録していますか?

日常の連続のなかではその重要性に気づきにくいものですが、写真には大きな力があります。

小さな町工場からスタートし、いまでは一回りも二回りも大きな工場を構えた会社の、草創期の写真があったとします。

創業者にとってその写真は、さらなる発展へ向けての挑戦を後押しするものになるはず。従業員もまた、その一枚から現代へ続く物語に思いをはせ、会社への理解を深めることでしょう。こんなふうに一枚の写真は、多方面に強い影響を与えてくれるのです。

周年記念誌や動画を制作する際にも、真っ先に確認させてもらうのは、こうしたエネルギーを秘めた写真の有無。周年記念をする・しないに関わらず、エネルギーを与えてくれる会社の資産として、折々に写真を撮っておくことをおすすめします。

今週のトピックス
〈周年記念事業を具体化する3ステップ〉

『周年記念事業を具体的に形にしていくための3ステップ』

周年記念事業を具体的に形にしていくための全体像です。3つのステップに分けて考えます。

 STEP1: 誰に届ける?ターゲット設定の基本

周年記念事業は“社内向け”と“社外向け”があありますが、まずは、いちばん伝えたい相手をハッキリ決めましょう。社内重視で行くなら、“社員への感謝”や“会社の歴史”を深堀りする企画を重点的に考える。
社外なら“顧客”や“地域住民”に向けて、自社の未来像を打ち出し、信頼を強化する狙いで企画を組む。どちらが第一優先かを決めると、イベントの内容や発信方法も自然と定まります。

 STEP2: 何を伝える?目的・目標の明確化 

ターゲットをはっきり決めたら、今度は「何を伝えたいのか」を言葉にする段階へ。“目的”と“目標”を区別すると分かりやすいです。たとえば目的が“社員のやる気を高める”なら、目標は“半年で社員アンケートの満足度を○%上げる”といった具体的な数字を設定するのも良いと思います。 

STEP3: いざ出発!プロジェクトチームの立ち上げ方 

目指す相手(ターゲット)と、伝えたいこと(目的・目標)が決まれば、あとは具体的に動き出すためのチームづくりをする段階となります。同じタイプばかりを集めるのではなく、例えば発想力のある人と、着実にタスクを進められる人などをバランスよく選ぶと良いでしょう

今月の名言/銘言

本気になれば 本気な人がついてくる
本気の応援がついてくる!

by HIROTAKA YOSHII MR

メンバー紹介

北村 嘉彦

Kitamura Yoshihiko

初めてブランディングに取り組む企業様と伴走して自社ブランドをつくりあげていくスタイルで「挑戦者の想いを届ける」をコンセプトに、デザインを通して比較されない美の創造を目指し追求しています。
インナーブランディングと呼ばれる制作物を作ることも多く、周年誌なども手掛けてきました。
ビジネス組織のBNIではチャプター立ち上げから12年間活動し全ての役員も経験し、結果的にJAPAともつながることができました。皆さまとのご縁に感謝し、お役立ちできることを探していきます。

このコーナーではJAPAメンバーを順番に紹介していきます

齋藤 久夫 藤原 智之 三島 進 南 あき 北村 嘉彦 長井 伸樹〈代表〉 国場 みの〈副代表〉 田本 夕紀〈監査〉 小林 大剛 佐藤 圭 

NEWS LETTER
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